ホンダのコンパクトSUV「ヴェゼル」は、2021年4月に現行の2代目へフルモデルチェンジしました。検索すると「新型ヴェゼル ひどい」「後悔」「壊れやすい」といった言葉が並びますが、その多くは発売当初の乗り心地や納期、価格の上昇に対する声です。
ヴェゼルはその後、2024年4月と2026年10月の2回のマイナーモデルチェンジで改良を重ねています。この記事では、評判が悪いと言われる理由を一つずつ取り上げ、最新モデルで実際にどうなっているのか、どんな人なら買って後悔しないのかを整理します。

【結論】新型ヴェゼルは「ひどい」車ではない
- 「ひどい」と言われる主な理由は、発売当初の乗り心地の硬さ・後席の頭上空間・価格の上昇・ガソリン車の性能
- 乗り心地や静かさ、後席の快適装備は、2024年と2026年の改良でかなり改善されている
- 「壊れやすい」という声はあるものの、リコールはホンダの他車種と共通の部品によるものも多い
- 2026年上半期はSUVで2番目に売れており、人気は依然として高い
新型ヴェゼルが「ひどい」と言われる理由一覧
ネット上でよく見られる不満と、最新モデルでの状況を一覧にまとめます。
| 理由 | よくある声 | 最新モデルでの状況 |
|---|---|---|
| 乗り心地が硬い | 段差でゴツゴツする | 2024年の改良でFF車の足回りを見直し |
| うるさい | エンジン音やロードノイズが気になる | 2024年の改良で遮音材を大幅に増量 |
| 後席が窮屈・暑い | 頭上が狭い、エアコンが届かない | 2026年の改良でGとe:HEV Xにリアベンチレーション追加 |
| 価格が高くなった | 発売当初より高い | 2026年10月時点で277万7,500円から |
| ガソリン車が非力 | Gはパワー不足 | ガソリンのGは4WDのみの設定 |
| 壊れやすい・リコール | 故障が心配 | リコール対象の確認と保証内容の把握が大切 |
| 内装が安っぽい | グレードによって質感の差が大きい | 2026年の改良で上級グレードの外装を上質化 |
| 納期が長い | 何か月も待たされた | 発売当初ほどの長納期は聞かれなくなった |
理由①乗り心地が硬い

2021年の発売当初、とくに2WD(FF)のe:HEV車について「段差でゴツゴツする」「突き上げが気になる」という声が多くありました。4WD車に比べてFF車の足回りが硬めに感じられたことが原因と言われています。
実際はどうか
2024年4月のマイナーモデルチェンジでは、静粛性や乗り心地、操縦安定性、ハイブリッドシステムや4WDの制御まで幅広く手が加えられ、FF車の足回りも見直されました。改良後のモデルに試乗した自動車メディアでも、乗り味が洗練されたと評価されています。
後悔しないための対策
中古車を検討する場合は、2024年4月以降のモデルかどうかで乗り心地が変わります。購入前には必ず試乗し、普段走る道に近い段差や荒れた路面で確かめてください。
理由②エンジン音やロードノイズがうるさい
初期モデルでは、加速時のエンジン音や高速道路でのロードノイズを指摘する声がありました。コンパクトSUVとしては標準的とも言えますが、ハイブリッド車に静かさを期待していた人ほど気になりやすい部分です。
実際はどうか
2024年の改良では、e:HEV車の遮音材が大幅に増量されました。報道によると、ボンネットフードで28%増、エンジンルームと室内の隔壁の外側で40%増、ルーフ部の厚さは約2倍とされています。静かさを重視するなら、2024年4月以降のモデルを選ぶのがおすすめです。
理由③後席の頭上が狭い・エアコンが届きにくい
ヴェゼルはクーペのように後ろに向かって屋根が下がるデザインのため、身長の高い人が後席に座ると頭上が窮屈に感じることがあります。また、下位グレードには後席用のエアコン吹き出し口がなく、「夏場に後ろが暑い」という不満もありました。
実際はどうか
一方で足元は広く、燃料タンクを前席の下に置く「センタータンクレイアウト」によって、後席の足元や荷室を広く確保しています。そして2026年10月の改良で、「G」と「e:HEV X」にもリアベンチレーション(後席の送風口)と後席用USBチャージャーが追加されました。後席の快適性への不満は、最新モデルでかなり解消されています。

理由④価格が高くなった
ヴェゼルは改良のたびに価格が上がっています。2024年4月の改良時点では264万8,800円からでしたが、2026年10月23日発売の最新モデルは277万7,500円からです。最新モデルの価格(税込)は次のとおりです。
| グレード | 駆動方式 | 価格(税込) |
|---|---|---|
| G(ガソリン) | 4WD | 2,777,500円 |
| e:HEV X | FF/4WD | 3,039,300円/3,259,300円 |
| e:HEV Z | FF/4WD | 3,287,900円/3,507,900円 |
| e:HEV Z・PLaYパッケージ | FF/4WD | 3,665,200円/3,885,200円 |
後悔しないための対策
売れ筋のe:HEV XとZの差は約25万円です。今回の改良でXにもシートヒーターやリアベンチレーションが付いたので、装備にこだわりすぎなければXでも十分満足できます。値引きの交渉方法はヴェゼルを値引きして購入する4つの方法で詳しく紹介しています。
理由⑤ガソリン車がパワー不足

ガソリン車の「G」は1.5Lエンジンとトルクコンバーター付きの無段変速機の組み合わせで、4WDのみの設定です。価格は抑えられているものの、「登り坂や合流で力不足を感じる」「燃費が思ったより伸びない」という声があります。
実際はどうか
2024年4月以降のモデルのカタログ燃費(WLTCモード)は、Gの4WDが15.0km/Lなのに対し、ハイブリッドのe:HEVはFFで約26km/L、4WDで21.5km/Lです。燃費と加速のなめらかさを考えると、多くの人にとってはe:HEVのほうが満足度は高いでしょう。Gは「雪道で4WDが必須だが予算を抑えたい」という人向けのグレードと考えるのが現実的です。
理由⑥「壊れやすい」「リコールが多い」と言われる
ヴェゼルは販売台数が多い分、不具合の報告も目につきやすい車種です。最近では2026年10月22日に、ボディーコントロールモジュールの不具合でリコールが届け出られました。対象は2024年12月23日〜2025年7月2日に製造された車両で、ヴェゼルのほかステップワゴンやフリード、ZR-V、シビック、N-BOXなど多くの車種にまたがっています。
実際はどうか
リコールは「不具合を見つけて無償で直す制度」で、ホンダの他車種と共通の部品によるものも多く、ヴェゼルだけが特別に壊れやすいというわけではありません。ただし、対象車に乗っている場合は早めに販売店で修理を受けることが大切です。
後悔しないための対策
- ホンダ公式サイトや国土交通省のリコール情報検索で、車台番号から対象かどうかを確認する
- 中古車を買う場合は、リコールの修理が済んでいるかを販売店に確認する
- 長く乗る予定なら、延長保証への加入も検討する
かつて言われていたが、改善された点
発売当初の不満の多くは、2回のマイナーモデルチェンジで改善されています。
2024年4月のマイナーモデルチェンジ
- フロントグリルとバンパーの形状を変更し、リアコンビネーションランプをオールLED化
- 前席のセンターコンソールを左右対称の2段構造に変更し、使い勝手を向上
- アウトドアテイストの「HuNTパッケージ」と、上級の「PLaYパッケージ」を設定
- 遮音材の増量や足回りの見直しで、静かさと乗り心地を向上
2026年10月のマイナーモデルチェンジ

- 全車のヘッドライトインナーレンズをブラック化
- 「G」と「e:HEV X」にリアベンチレーションと後席用USBチャージャーを追加(e:HEV Xは運転席・助手席シートヒーターも追加)
- 「e:HEV Z」と「PLaYパッケージ」は、ホイールアーチとバンパーガーニッシュをボディー同色にして都会的な外観に
なお、2025年10月には、専用のローダウンサスペンションを持つスポーティーな「e:HEV RS」も追加されています。

販売台数から見るヴェゼルの人気
「ひどい」という声がある一方で、ヴェゼルは今も売れ続けています。2026年上半期(1〜6月)のSUVの登録台数では、ヴェゼルは37,133台で、トヨタ ライズに次ぐ2位でした。
| 順位 | 車種 | 2026年上半期の登録台数 |
|---|---|---|
| 1位 | トヨタ ライズ | 61,946台 |
| 2位 | ホンダ ヴェゼル | 37,133台 |
| 3位 | スズキ ジムニー | 32,316台 |
| 5位 | トヨタ RAV4 | 29,222台 |
| 6位 | トヨタ ハリアー | 25,790台 |
人気車種であることは、中古車として売るときの価格(リセール)が安定しやすいというメリットにつながります。一方で、街中でほかの人と被りやすいという面もあります。人気の色についてはヴェゼルの人気色は?もあわせて参考にしてください。
後悔しないためのグレードの選び方
- G:雪道で4WDが必要で、予算をできるだけ抑えたい人向け
- e:HEV X:燃費とコスパを重視する人向け。2026年の改良で快適装備が充実
- e:HEV Z:内外装の質感や装備を重視する人向け
- e:HEV Z・PLaYパッケージ:パノラマルーフや2トーンカラーなど、見た目の個性を重視する人向け
新型ヴェゼルを買って後悔する人・しない人
後悔しやすい人
- 身長の高い人を後席に乗せる機会が多い人
- ガソリン車で、力強い加速を求める人
- 初期モデルの中古車を、試乗せずに買おうとしている人
後悔しにくい人
- 街乗り中心で、燃費の良いハイブリッドSUVが欲しい人
- おしゃれなデザインと、広い後席の足元・荷室を両立したい人
- リセールも考えて、人気の高い車種を選びたい人
なお、運転のしやすさが気になる人はヴェゼルが運転しにくいと言われる理由も参考にしてください。
新型ヴェゼルのよくある質問
新型ヴェゼルの何がひどいのですか?
発売当初のFF車の乗り心地の硬さ、エンジン音、後席の頭上の狭さ、価格の上昇などがよく挙げられます。ただし乗り心地や静かさ、後席の快適装備は、2024年と2026年の改良で改善されています。
ヴェゼルの欠点は何ですか?
クーペ風のデザインによる後席の頭上空間の狭さと、ガソリン車の力不足が代表的な欠点です。
新型ヴェゼルは故障が多いですか?
ヴェゼルだけが特別に故障しやすいというデータはありません。リコールはホンダの他車種と共通の部品によるものも多いため、対象かどうかを確認し、修理を済ませておけば過度に心配する必要はないでしょう。
新型ヴェゼルのリセールはどうですか?
SUVの中でも販売台数が多い人気車種のため、リセールは比較的安定しやすいと考えられます。ただし、色やグレード、走行距離で大きく変わるので、売却時は複数の買取店で査定を受けるのがおすすめです。
【まとめ】新型ヴェゼルは改良を重ねた完成度の高いSUV
新型ヴェゼルが「ひどい」と言われる理由の多くは、発売当初の乗り心地や静かさ、後席の快適性への不満でした。これらは2024年と2026年の改良でかなり改善されており、2026年上半期にSUVで2番目に売れていることからも、多くの人に選ばれている車だとわかります。
後席に背の高い人を乗せる機会が多い人や、ガソリン車に力強さを求める人は注意が必要ですが、街乗り中心でハイブリッドSUVを探しているなら、ヴェゼルは十分におすすめできる1台です。購入前には必ず試乗して、自分の使い方に合うかを確かめましょう。
参考:Honda ニュースリリース「「VEZEL」をマイナーモデルチェンジし発売」(2026年10月22日・2024年4月25日)、Honda VEZEL公式サイト。登録台数は日本自動車販売協会連合会の公表データをもとにした報道より。リコール情報は2026年10月22日の届出に関する報道より。
